6月には木曽谷で「御杣始祭」が挙行され、祭服姿の木こりたちが伝統的な斧を使い、樹齢300年のヒノキを慎重に伐採した。掛け声とともに倒れた神聖な木は、伝統の歌とともに参加者たちにより五十鈴川を運ばれた。
9年かけて125棟の全社殿が解体・再建され、工費は約390億円とされる。宮大工や木こり、職人が現代最高峰の技を継承し、儀式用の装束や道具も1500点以上が新調される。伊勢では屋根の萱も8年かけて育てられ、社殿用ヒノキも代々管理されている。
再建の儀式は数千人の参拝者を集め、年間約700万人が訪れる。内宮は天照大神を祀り、三重県の山々に2千年続く信仰の象徴だ。全33の祭りや儀式を経て、2033年には神様が新しい社殿へと遷られる。
この式年遷宮は、15、16世紀の内乱と第二次世界大戦直後のみ中断された歴史があり、伊勢神宮は「常若」の精神、つまり再生と無常を現代まで受け継いできた。多くの神社が定期的な再建をやめる中、伊勢は今もその伝統を守り続けている。]
